理学療法士・作業療法士が「好きなこと」で働く前に知っておきたいこと
副業の波はセラピスト業界にも来ています
- 理学療法士・作業療法士が「好きなこと」を仕事にするには?
- リハビリセラピストが「好きなこと」で生活できる人はほんの数%
- 理学療法士・作業療法士が「好きを仕事」にする不安要素
- 「好きなこと」が「得意なこと」とは限らない
- リハビリセラピストである貴方の人生の価値は自分で決めましょう
- 【まとめ】理学療法士・作業療法士が好きなことを仕事にするために
最近では、理学療法士・作業療法士といったセラピスト業界でも、
「好きなことを仕事にする」
というフレーズを耳にすることが多いのではないでしょうか?
「 大好きな趣味で生活できたら、どんなに楽しいことか」
フルタイムで働いているとしたら、その時間すべてを好きなことに費やすことができ、
一日の大半を、好きなことで過ごせるということになります。
すごく魅力的なことですよね。
理学療法士・作業療法士が「好きなこと」を仕事にするには?
2019年度より、副業が解禁されたことで、
フリーランスなどの新しい働き方も増え、その夢が現実味を帯びてきた
と感じるリハビリセラピストも多いでしょう。
事実、本来のリハビリ業務以外に、
副業として事業を始めたり、全く違った分野に踏み込んでいく
人も増えてきています。
例えば、
整体院等の起業やパーソナルトレーニングなどのトレーナーとして個人で活躍する人
環境設定や福祉用具の知識を活かして家具や補助具の設計や導入に携わる人
などがあり、その他にも出来る仕事は多岐に渡ります。
もちろん、理学療法士・作業療法士に関連した仕事だけではなく、
趣味として行っていた活動を副業として始める人
なども多いことでしょう。
とはいえ、
現実的に「今の仕事が嫌だ」と感じていても我慢しながら続けている人が90%以上
と言われています。
それはなぜだと思いますか?
主な理由として、
好きなことで仕事をするには、その楽しさが100%仕事に繋がるわけではない
ということを少なからず感じている人が多いからです。
もちろん、おいそれと
「なんとなく楽しそう」という簡単な気持ちで仕事にするのは沢山の不安要素
があります。
だからこそ今、
「好きを仕事にしよう」と考えている貴方
には今一度、しっかりと考え計画的に行動して欲しいのです。
リハビリセラピストが「好きなこと」で生活できる人はほんの数%
実際に、「好きなことを仕事にできた」と感じている人は、
20~60代の社会人の中で約30%程度
と言われています。
しかし、
20~30代に限定すると25%程度と数値が下がる傾向
にあるとも言われています。
60代になると、その数字は50%近くまで上がる
ようですが、これに関しては、
元々「好きだったことを仕事にした」場合だけではなく、
仕事がだんだんと「好きなこと」に変わっていった
というパターンもあります。
「好きなことを仕事に出来る」人が、全体で30%という数字を見て「多いか?」「少ないか?」は人によってそれぞれだと思いますが、
全員が全員「好きを仕事にできる」わけではない
ということは知っておくべきです。
理学療法士・作業療法士が「好きを仕事」にする不安要素
①収入面
現実的に考えてしまうのは、まずは収入のことではないでしょうか。
常勤で働いていれば、多くはなくてもある程度の安定した収入が得られます。
逆に、好きなことを仕事にすることで、
生活費を稼ぐほどの収入が得られる確証
はありません。
収入が、大幅に減るリスクも大きいです。
「好きなこと」一本で仕事を絞ることに対して、まず不安を感じる人が多いでしょう。
そのため、生活費を稼ぐ手段として、
ある程度安定した収入を得られる別の仕事をしながら副業として始める方
が多いです。
②気持ちの変化
この「気持ちの変化」という部分が、不安要素として重要になってきます。
その理由として、
「好きなこと」を仕事としたことで、それが「好きなこと」ではなくなってしまう
ことです。
これはとても重要ですよね。
趣味というのは本来であれば、
自分のストレス発散のための大切な手段であったり、
人生を豊かにするための手段・ツール
です。
しかし「好きなこと」が「好きではなくなってしまう」ことは、
とても大きなリスクではないでしょうか?
その原因として、いくつか考えられことがあります。
1)趣味として楽しむだけの時間が減る
「好きなこと」を仕事にすると、趣味の時間として行っている時間も、
利益をどの様に上げるか?
この部分を業務にするのであれば、こう行動しよう
など常に仕事として考えてしまうことが増えてきてしまいます。
そうすると純粋に楽しむだけの要素が減ってしまい、今まで楽しく行えていた好きなことに対して、「純粋に楽しむこと」ができなくなってしまいます。
そもそも「好きなこと」で、
お金を得る手段にすることに対して抵抗を覚える人
もいるでしょう。
2)新しく考えなくてはいけないことが増える
病院で働いていれば、ある程度は自動的に単位数を稼ぎ、担当患者数も決まってきます。
そのため「ある程度の仕事・業務量を自分で決める」ということをしないで働くことが出来ます。
しかし、例えばの話として・・・
「ラーメン屋さんを開こう!」
と思ったら、
ただラーメンを作る調理器具や材料を準備するだけ
では不充分です。
店舗を探したり、
行政への手続き、
チラシを配るなどの営業
など、今までやったことがない業務を自分で決定し、行動していかなくてはなりません。
そして、仕事をしていくうちに面倒くさく感じてしまい、
好きだったことに対して気持ちがだんだん冷めてきてしまう
という可能性も少なくはないのです。
「好きなこと」が「得意なこと」とは限らない
例えば、パンを食べることが好きな人が、全員パン屋さんになれるわけではないですよね。
趣味で行っている内は、例え下手であっても楽しいものです。
ですが、ひとたび仕事にしてしまうと、
「好きなこと」の能力を一定以上のレベルまで引き上げること
をしないと収益を上げることは難しいです。
特に、芸術性を求められる仕事に関しては、
好きな気持ちとクオリティの差を埋めることが簡単ではない
ため仕事にすること自体、難しいことが多々、見受けられます。
単純に、
「好き」だけではなく、それが「得意なこと」で仕事に出来るか?
ということも、仕事にして生活していくために考えるべき要素の1つでしょう。
リハビリセラピストである貴方の人生の価値は自分で決めましょう
上述したような手間やデメリットを踏まえても、
「好きなことを仕事にする」
ことにはとても価値があります。
ただしそれには、
「好きだからこそ、どんな厳しいことでも受け入れられる」
という、
「覚悟」
「好きなことを生活の術としていくための戦略を立てる」
この2つの条件は最低限必須となるでしょう。
【まとめ】理学療法士・作業療法士が好きなことを仕事にするために
現在、「好きなことを仕事」にできている人も、
仕事を始めた際には多くの不安を持っていた
はずです。
ですが、
不安や大変さを乗り越え「好きなことをしている時間が増える」
ことで、
「自分自身の人生を豊かにする素晴らしさが味わえる」
ことはとても有意義であり、素敵なことではないでしょうか?
「好きなことを仕事にしたい!」
「既存の枠に捉われずに満足出来る働き方」
を模索してみてはいかがでしょうか?
結果、それが「リハビリセラピスト」としても「一社会人」としても豊かな経験となり、さらに魅力的な人間として働くことが出来るようになるでしょう。