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【理学療法士・作業療法士】承認欲求から考える仕事の選び方

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承認欲求から考えるリハビリセラピストの働き方

今回は『承認欲求』から自分にあったモチベーションの上げ方や、

それに必要な職場選びなどを考えていきたいと思います。

 
今の仕事が自分に合っているのか?

他にも良い仕事があるのではないか?

 

と思っている方々にとって少しでも参考になれば幸いです。

 

承認欲求とは?

 

(承認欲求3つの種類)

承認欲求には大きく分けて3つの種類があります。

 

 

1)成果承認

1つ目は成果承認と言って、

「自分のした事に対する成果(結果)を認めて欲しい」

と思う欲求の事です。

 

筆者は理学療法士ですので、主に臨床場面を例にして言うと、

 

「自分の行ったアプローチによって患者さん(あるいは利用者さん)の痛みがとれて喜んでもらえた」

 

などがこれにあたります。

 

成果承認の欲求が強い人の場合、

リハビリや施術の効果がどの程度出たかということが重要で、

どれだけその人が良くなったかがモチベーションにつながりやすいと言えます。

 

2)事実承認

2つ目は事実承認と言って、

「自分の行った事実を認めて欲しい」

と思う欲求の事です。

 

臨床場面で言うと、

「リハビリの効果よりも、その日に何単位とったかなどの行った事実に対して、その頑張りを認めて欲しい」

という場合がそれにあたります。

 

 

事実承認の欲求が強い人は、

リハビリの効果がどの程度あったかより、

どれだけリハビリを提供したかを考える方がモチベーションに繋がりやすい

と思います。

3)存在承認

3つ目は存在承認といって、

「その人自身の存在自体を認めて欲しい」

と思う欲求の事です。

 

臨床場面においては、自覚しにくいかもしれませんが、

患者さんが「リハビリの人が来てくれて嬉しいわ」というようなことを言ってくれているときは、存在承認を満たしてくれていると考えられます。

 

存在承認の欲求が強い人の場合は、

リハビリの内容やリハビリそのものよりも、自分自身が他者に必要とされている存在なんだと思えることがモチベーションに繋がる

と思います。

 

 


あなたは何にモチベーションを感じます?

 

以上が、今回、あなたに知っておいて欲しい承認欲求の種類になります。

これら3つの承認は、「どの承認欲求が優れているか」や

「劣っているか」というものではありません。

 

誰しもが3つの承認欲求を持ち合せていると思いますが、

人によってそれぞれの承認欲求の強さの比率が異なってきます。

 

 

筆者の場合は1つ目に紹介した、

成果欲求が一番強くモチベーションに繋がるタイプの人間であるため、

短い時間の介入でも良い効果が出せればそれだけで満足しますし、

逆に自分が納得いかない結果しか出ない場合は、

どれだけ長い時間介入していても満足できないことがあります。

そういう意味では、事実承認は筆者の場合、モチベーションに繋がりにくいのかもしれません。

 

 

 

 

承認欲求から転職を考えていくことの大切さ

 

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仕事を選ぶときや自分の進む領域を考えるときは、

 

「自分が好きなこと」

 「興味のあること」

 

を中心に考えていくことも大事なことですが、

 

『自分が何に対してモチベーションが上がるタイプなのか?』

 

を過去のエピソードを振り返って考えてみるのも大切かと思います。

 

承認欲求とは、他者に何かを認めて欲しい欲求です。

つまり自分の他に承認してくれる人が必要になります。

 

 

私たちの仕事では、

患者さんやその家族さんであったり、

他のリハスタッフや病棟スタッフ、医師であるかもしれません。

 

 

承認欲求というのは、一人で満たすことはできず、

誰かに認めてもらって初めて満たされるものです。

 

 

 

必ずしも他者からの承認のみで承認欲求が満たされる訳ではない

 

ここで注意が必要なのが、自分が欲しい承認を他者がくれるかはわからないということです。

 

少し筆者の体験談をお話しします。

 

どこでも楽しくやれる!!わけではないかも、、、

 

現在、筆者は訪問リハビリに所属しています。

訪問リハビリは利用者さんの自宅に訪問して、リハビリを行います。

 

在宅でのリハビリは利用者さんの身体のケアだけを行えば良いわけでは無く、

自宅の環境調整や運動・生活指導、他職種への情報共有なども行います。

 

複数担当で行う場合もありますが、

基本的には一対一で行うため、

かなりオールラウンドに見れないといけない領域だと思っています。

 

筆者は職場の異動に伴い昨年の4月から訪問リハビリでの業務を行なっています。

やりがいのある仕事であると思っていますが、

正直に言うと、来年度は他の領域に異動したいと思っています。

 

それは先ほどの承認欲求の話で説明ができます。

不完全燃焼でも喜ばれる・・・

 

訪問リハビリの場合、病院でのリハビリとは違い、

治療機器やトレーニング機器などは当然ありません。

自分の実力不足も大いにありますが、

自分が思うような介入ができないことが続いていました。

 

ですが、利用者さんはこう言うのです。

 

「リハビリしてくれて嬉しいわ」

 

「リハビリ来てくれてありがとう」

 

この言葉が別に悪いわけではありません。

 

その利用者さんたちは本当に感謝してくれているのだと思います。

 

しかし、

「成果承認が強く、事実承認ではモチベーションが上がらない僕にとっては逆に辛く感じる」

こともありました。

 

成果が十分でていないのに、

リハビリを行っている事実やリハビリに来てくれたと言う存在承認で利用者さんから喜ばれても逆に申し訳ないような気持ち

になってしまい、とても心苦しい気持ちになっていました。

 

筆者も以前は承認欲求のこともよくわかっていなかったので、

何か漠然とモヤモヤした気持ちになることがあり、

仕事に身が入らないことがありました。

 

現在は、このモヤモヤした気持ちが、

『自分が求めている承認欲求と、他者から受ける承認の違いから起こるもの』

であるとわかったので、この気持ちも整理することが出来るようになりました。

 


自分にあった職場、領域の見つけ方の1つの手段として

 

繰り返しになりますが、

職場や自分のやりたい領域を選ぶときに重要なことは、

「自分の求めている承認欲求がもらえるような状況があるか」

ということです。

 

「自分が何にモチベーションを感じるのか」

が分かっているとそれを基準にして、

「自分の好きなことや興味のあること」

ができる職場や領域が見つけられると思います。

 

 

これから仕事を探す人や、転職を考えている人、今の仕事が自分にあっているかわからなくなっている人に少しでもこの経験が参考になればと思います。