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心臓リハビリ「意外だけど最重要!」見落としがちな心不全増悪因子(心リハ・評価)

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おはようございます。毎週土曜日、リハビリ専門コラム(内部障害)担当の眞鍋です。

今回のテーマは、「心不全の増悪因子」についてです。

リハビリテーションの臨床で「心不全に苦手意識」がある理学療法士作業療法士の貴方は必見の内容ですよ。

 

まずは、

「代表的な心不全増悪因子」

を見ていきましょう。

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上記の図を頭において、

今回の記事を

読み進めてくださいね

 

心不全患者さんは

心不全症状の発現」

によって、

病院を受診したり

救急で運ばれたりします。

 

多くの患者さんは、

「急性期の治療によって

症状が改善」

します。

 

では、

なぜ心不全患者さんは、

入院して治療を行うと

良くなるのでしょうか?

 

当たり前のことですが、

改めて考えてみましょう。

 

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【心臓リハビリの基礎】薬物療法だけじゃない、入院のメリット

やはり、

「入院による

最大の治療効果は

薬物療法

です。

 

心不全薬物療法

このようなものがあります。

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しかし、

同時に生活習慣の是正も

影響している可能性

があります。

 

心不全薬物療法

する群としない群に

ランダムに分けて

比較検討できれば、

そこがはっきりするだろうけど、

そんなことができるはずないので

(倫理的な問題で)

 

あくまでも、

予想の域を超えることは

できませんが、

入院中の生活習慣は

心臓にとっては

申し分ないでしょう。

 

塩分は、

だいたい6グラム未満に

コントロールされ、

水分も1日の量が500ml

と決められている。

 

これらは、

「心臓に負担をかける

大きな要因である

循環血液量を減らして」

くれます。

 

 

前負荷の軽減

ということです。

 

【利尿剤に近い効果】

と言えますね。

 

日常生活で、

そこまで厳密に

制限できる人は

そうはいないでしょう。

 

そして、

安静もしくは

必要最低限の活動に

抑えられる方が多いので

「心臓にとっては

最も負担の少ない状態」

と言えます。

 

家にいれば

なんだかんだで

動かないといけなくて

心不全状態で

無理して動くと

症状が悪化」

します。

 

そう考えると、

「何もしないで、

ただ入院して

病院食を食べて

安静にしているだけ」

でも、

心不全が改善する

患者もいそうなものだ」

と思いませんか?

 

このように、

基本的に多くの患者さんは

薬物療法を中心とした

入院加療によって

心不全症状は改善します。

 

当たり前ですが、

「心臓が治ったわけではない」

ことは覚えておいてくださいね。

 

あくまでも、

心不全の増悪因子を

コントロールした結果、

症状がなくなった」

ということです。

 

しかし、中には

一旦改善した心不全症状が

入院中に再発するケース

もあります。

 

いったい、

なぜ再発してしまう

のでしょうか?

  

 

【リハビリ職は要評価】活動すると心臓に負担?

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過負荷での運動は

心不全再入院の代表的原因」

です。


しかし、

筆者の印象ですが、

比較的活動レベルが

高い患者さんは

心不全増悪が少ない

ように感じます。

 

これは、

【活動レベルが高い】

というのと、

【運動耐用能が高い】

ということに

「関連性が強い」

のでしょう。

 

余力があるように感じます。

 

過負荷になってないんです。

 

特に、

入院生活なんて、

2METs以下の

運動が大半です。

 

一方、

生活の大半をベッドの上で

過ごす方はどちらかと言うと

「運動耐用能は低い」

と言えるでしょう。

 

「動いてないのだから

心臓に負担がかからないし、

心不全になりにくいでしょ?」

と考えるのが自然でしょうか?

 

一概にもそうは言えません。

 

実際、筆者はある程度、

「心機能」と

「活動レベル」というものか

「活動範囲」というものか、

そういったものは

「相関してくる」

と臨床で経験しています。

 

心機能が低いのに、

いつまでも活動的な人は

やはり少なくて

これは、

「身体の適応現象」

なんだと感じます。

 

「身体が、

心臓に合わせるように

筋肉を減らして

活動量を下げている」

そんなようにも感じます。

 

実際に、

カヘキシーな状態

になるので、

「ある意味、

理にかなっている」

とも言えますね。

 

だから、

そういう方は

容易に過負荷になる

 

さらに、

筋力がないから

すぐに力んで動作を

行うので、

より心負荷をかけやすい。

 

 

理学療法士作業療法士必須知識】活動量が低くても心不全増悪リスクはある

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しかし、

在宅でも施設でも

活動レベルが低くても

心不全増悪で

入院する方は多く

います。

 

入院中で、

様々な心不全増悪因子を

管理していても

心不全が増悪する

ことはあります。

 

そこにはやはり、

感染症の影響が強い

のです。

 

代表的なのは、

「肺炎」

「尿路感染症

です。

 

僕らが普段、

二次的合併症として

予防の対象にしている

ものですよね?

 

褥瘡もそうです。

 

結論的には

当然のことになりますが

「入院中に感染症

起こさないよう

努力が必要」

なのです。

 

また、

腎機能が

低下していると

心不全となりやすく、

回復に時間が

かかります。

 

やはり、

「心腎連関」

という言葉があるように、

これらの臓器の

関連は強いもの

があります。

 

「腎機能障害がある

慢性心不全患者さんが

肺炎にて入院した」

となると、

かなり心不全のリスクが

高いことが想像

できますね。

  

 

【リハビリでのリスク管理】なぜ感染症になると心不全が増悪するのか?

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感染症にかかると、

身体は炎症を起こします。

 

炎症が起こると

体温が上がり発熱

します。

 

また、

発熱によって

交感神経優位となり

「一回拍出量と心拍数(特に心拍数)」

が上がります。

 

安静時から、

これらによって

心臓の仕事量が

増えることで

心臓の負担

となります。

 

肺炎の場合は、

絶食で点滴加療

となることがあります。

誤嚥性肺炎で多い)

 

この場合は、

「In Over」(一日の中で体に入る水分が出る水分より多い)

となりやすく

より注意が必要です。

 

まだまだ、

要因は多岐に

及びますが、

 

熱が出る

 

呼吸状態が悪化する

 

おしっこが出なくなる

 

いずれも

心臓に負担を

かける要因

です。 

 


【まとめ】リハビリテーション職が心不全患者に関わるために

前回の記事にも書きましたが、

感染症関連は、

心不全の誘発因子

となりやすいだけでなく、

当然命にもかかわるものです。

 

未然に防ぐことが

何より重要

ですので、

在宅に関係している

理学療法士作業療法士の貴方には、

是非とも肝に銘じておいて

心不全患者さんの診療に

あたって欲しいと思います。

 

 

【著者プロフィール】

真鍋 周志

急性期病院勤務理学療法士

専門は内部障害理学療法

理学療法士が生涯学べる環境を作りたいと考えています。

ブログ:http://gigaantena.com/ptstudy/

FB:https://www.facebook.com/reha.internal/

 

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